JARA2019(建築パース2019展)『空間体感の表現 ~「見る」から「感じる」へ~』イベントレポートVol.4:ライフスタイルを技術に合わせる時代へ -「MRデバイス」元年到来 –

さて、ここまで技術に合わせた進化を見てきましたが、ここからは登壇者お2人より未来について語っていただきました。

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みなさんは、先の記事で扱った「MRデバイス」を、日常で使うようになる日々がくることについて、想像はできますか? こちらは、ヘッドセットをライフスタイルの中で使う、という新しいコンセプト提案になります。

新しいファッション・コンセプトの提案

新しいファッション・コンセプトの提案

現在、5Gの進化により、自動運転が実現する未来が、そう遠くないことは少しずつ想像できるようになりました。「車が移動手段からサービスに変わる」ように、劇的に日常を変える瞬間が、ライフスタイルでも起こり得る可能性が見えてきました。そのきっかけが、Microsoft社が開発したMRグラス「HoloLens」だったのです。
技術がライフスタイルに合うのを待つのではなく、ライフスタイルを技術に合わせていく。デバイスをつけても格好良い「アウトフィット(特別な服装)」を創る、という視点が、今生まれつつあります。
テクノロジーがブレイクし、ライフスタイルに溶け込むとき、このような「ヘッドセットに似合う髪型・服装を選ぶ」という捉え方ができるようになります。

「ヘッドセットに似合う髪型・服装を選ぶ」

「ヘッドセットに似合う髪型・服装を選ぶ」

この技術がライフスタイルの変革を生んだケースとして、過去の代表的な例がソニーの「ウォークマン」です。ウォークマンができるまでは、街中で音楽を聞くスタイルは存在しませんでした。
さらに、技術革新を経て、「iPod」「iPhone」がでたことにより、「ファッション」として音楽を持ち歩くことを可能にしました。
以前は、食べ物の写真を撮って全世界にシェアするという日常は想像できなかったと思います。ファッション起点において、潜在的な市場がすでに目の前にあり、「空間を着る」という視点でライフスタイルを変えていける可能性に注目が集まっています。エンターテイメントやゲームといった既存の市場から、「体験をデザインする」ことに、新しい領域が見える時代の到来です。

「空間を着る」

「空間を着る」

空間を創る建築業界と、空間を「デザイン」するVR業界

近年、現実世界の建物自体が、センサー技術の発達により、インターフェース化しています。デジタルサイネージにより、人のインターフェースへのアクションが変わってきているといえるでしょう。
空間自体をインターフェースとして使いながら、現実世界とコンピュータの世界をつなぐ空間が増えています。物理的では、できなかった表現が可能になっているのです。
例えば、現実の店舗に来店し、そこでデバイスをはめるとVRの世界が展開される、といったことが街中全体で行われる流れがくるのでは、と考えています。未来を待つのではなく、街がMRを使用して近づいてくる。そんなプロジェクトも、すでに始動しています。こちらは、「MR×街」をテーマに、渋谷区長・長谷部健氏がインタビューに答えている動画です。

情報が視覚化されてみえる世界では、「文字情報」がグラフィカルに、よりデザイン的に表現できるようになります。建築分野だとサインもデザインになりますが、バーチャルリアリティの世界でも、文字や空間にデザインを表現する領域がある点で、同じことがいえるようになります。
空間情報に溶け込んだときに、情報を取得する方法が変わり、これがさらに未来になると、脳に直接情報が伝達させる時代が訪れるでしょう。エクステンデッドなリアリティが面白い未来が、すぐそこに近づいてきています。

「MR×街」 TIME MACHINEチームによる渋谷区を舞台にしたMRプロジェクト

「MR×街」 TIME MACHINEチームによる渋谷区を舞台にしたMRプロジェクト

槙田 淑子

槙田 淑子Producer, Facilitator, Writer

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建築パース・建築ビジュアライゼーション分野のポータルサイト『Kviz』編集長。デジタルメディアシステム部 所属、社内ワークスタイルサポートプロジェクト「わくすた」リーダー。エンターテイメント・文教などデジタルメディアを使う業界向けの製品プロモーションやセミナーも担当しています。

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