- 第1話 プロダクトデザインにおける3ds Maxモデリング手法
- 第2話 プロダクトデザインのプロジェクトとプレゼン ←今ここ!
- 第3話 3DCGを始めたきっかけと、起業の経緯
- 第4話 プロダクトCGと建築CGの違い ~黒田流CG業務視点~
- 第5話 近い未来。それはつまり今
あいこ
黒田さんは講師もされているんですよね。
それはプロダクト系ですか?
それはプロダクト系ですか?
2つの大学で講師をしています。どちらの大学もプロダクトに絞っているわけではなくて複数の領域を横断的に学ぶ学科ですね。授業としてはCADやCGを使ったデザイン手法や表現方法を扱っています。自分の仕事に近い内容ですね。
黒田さん
あいこ
でも自分でCGつくるのと、教えるとでは全然違いそう。
全く違うスキルが必要ですね。教室で数十人に対して授業をするってなかなか慣れません。
黒田さん
あいこ
ふむふむ。会社の方は何名くらいいらっしゃるんですか?
3名ですね。全員がデザインを生業にしていますが、それぞれが少しずつ専門分野が異なります。一人が同じくプロダクトや建築のビジュアライズを、もう一人はウェブやアプリを中心にアートディレクター/フロントエンジニアをやっています。
黒田さん
あいこ
一つのプロジェクトにかけられる時間はどのくらいですか?
プロジェクトによって納期に幅がありますね。平均するとパース数枚セットで1~2週間くらいが基準だと思います。小物関係をたくさん入れる場合はちょっと期間を長くしてもらったりとかもします。もっというとCGを描くだけじゃなくて、企画全体に携わらせてもらうこともあるので、ブランドの立ち上げからやるときは半年~1年くらいになりますね。
黒田さん
あいこ
ブランド立ち上げ??!
ある製品やサービスを立ち上げるときに、そのもの自体に加えて、ウェブサイト・カタログなど・・デザインするアイテムがいろいろあるじゃないですか。ブランド立ち上げから携わる場合は、CGは全体の一部でしかないですよね。CGづくりは1~2週間だけど、プロジェクト全体だと半年とかになっちゃいます。
黒田さん
あいこ
あー、そっかぁ!全部できるのか!!
例えば、新製品のリリースに合わせてカタログが必要なのであれば、カタログの設計からやったりします。
黒田さん
あいこ
え!?カタログのレイアウトもやられているんですか??!
レイアウトはアートディレクターが担当される場合もありますし、自分でやる場合もあります。カタログのコンセプトに沿って、どのような表現が良いか一緒に考えながら、必要なCGを必要なだけ描いていくという流れです。
黒田さん
あいこ
プロジェクトの一員として携わっているんですね!普通は依頼者の方でレイアウト決めて、そこに必要となる絵を黒田さんにお願いするって感じだと思うんですけど…プロダクト業界だと多いですか?
そんなに多いわけじゃないですよ。プロダクトもフェーズごとに担当する方がいますから。でも小規模なプロジェクトだと担当させてもらうこともありますね。関わる人数が増えすぎると情報共有するだけでも大変ですし。
黒田さん
あいこ
そっか、そうですよね。そうすればイメージも統一されて、Webもカタログも全部テイストが合わせられますもんね。
そうですね。建築CGって広告のどこに入るとか、プレゼンでどう使われるかとか、けっこう分からないことが多かったりするじゃないですか。でも企画から携わっていると、他にどんなイラストが使われるかも分かりますし、文字をどこにいれるとか、全体を見ながら綺麗に入るように描くことができるのが良いところです。
黒田さん
あいこ
確かにー!それは絵をつくりやすいですね。
自社でWebサイトもデザインされるんですか?
自社でWebサイトもデザインされるんですか?
はい。僕はコンセプトまでは携わりますが、弊社のメンバーが具体的なウェブサイトに落とし込んでくれます。フロントエンジニアなので実装まで自社内で完結です。
黒田さん
あいこ
ほぇー!
プロジェクトによって業務内容が大きく異なるので学びは多いですね。楽しいですし。自分の肩書きが何なのか分からなくなるときがありますね。。
黒田さん
いやはや!いろいろなことに対応できて、出来ることをアピールしてどんどん新しい実績も出来上がっていく…!そのサイクル素晴らしいなー
3D CADと3D CG
あいこ
プロダクトデザインもビジュアルもできるってすごい強みですよね!
ソフトは何を使われてるんですか?
ソフトは何を使われてるんですか?
プロダクトはRhinocerosでモデリング、3ds Max+V-Rayでレンダリングしています。建築は3ds Max+V-Rayでほぼすべての作業をすることが多いですね。でもRhinocerosはプロダクト業界的には下火になってきているように感じますね。
黒田さん
あいこ
そうなんですか!?
大学生の頃に初めて触った3DソフトがRhinocerosだったので思い入れがあるんですよ。当時はフリーのプロダクトデザイナーを中心にRhinocerosが支持されていたようです。でもここ5年位かな、Grasshopperが出たあたりから建築向けのツールに変わってきてますよね。それに伴ってなのかFusion 360を使う方が最近は多いですね。僕も先日体験版をインストールしました。
黒田さん
あいこ
Fusion 360私も覚えたいんですよー。はじめるって言ってから、もう2年位経ちゃったけど…
3ds Maxとモデリングの仕方は少し違いますが、使い分けれるものですか?
3ds Maxとモデリングの仕方は少し違いますが、使い分けれるものですか?
全然使い分けられると思いますよ!工業製品のような大量生産されるものは、3D CADソフトで設計されているものが多いので、素直な手順でモデリングが進められます。慣れちゃうと3ds MAXより作りやすいんじゃないかと思います。
黒田さん
あいこ
アールとか細かいディティールつくるのは、やっぱ3D CADのほうが向いてるのかー。
建築CGの方はあまり使ってないように思いますが、Fusion 360やRhinocerosのような3DCADソフトも使えるようになると表現の幅が広がるのになーと思いますね。
黒田さん
あいこ
やる気の問題だ…
やる気の問題かも(笑)
黒田さん
プロダクトデザインに使用する3D CADと建築ビジュアライゼーションで使用する3D CG。両方やっているっていいなー!私も言ってるだけじゃなく、3D CADのFusion 360覚えるぞー!黒田さんが「3D CGやってる人ならすぐに覚えれる」って言ってくれたからーーー!ファイッツ!!!
- 第1話 プロダクトデザインにおける3ds Maxモデリング手法
- 第2話 プロダクトデザインのプロジェクトとプレゼン ←今ここ!
- 第3話 3DCGを始めたきっかけと、起業の経緯
- 第4話 プロダクトCGと建築CGの違い ~黒田流CG業務視点~
- 第5話 近い未来。それはつまり今