このコラムは建築ビジュアライゼーションに携わるスペシャルな方に、お話を聞いてみよう!というコーナーです。
いよいよ後半戦!第5話目は、頭に思い描いていることをアウトプットするためのコツを、ご紹介します♪
アウトプットの数が、質を決める
見せ方とか感性を磨くためには、何をしたらいいですか?
それは、間違いなく「数」。自分で手を動かしてつくる!あとはなんでもいいから、色々なものを見るしかないと思う。別に美術館に行く必要もなければ、かっこいい映画を観る必要もないと思うんですけど、まずは「ちゃんと見る力」=「観察眼」を磨くことが大事だと思う。
自分らの先生って、ネット上でも美術館にいるわけでもなく、自然が先生なわけじゃないですか。外を見れば答えがあるんですよ。だから、街を歩くにしても、「ここって、こんなに暗いんだ」とかを理解できるようになると、だいぶものの見方が変わってくる。
手を動かすことで、自分の理解していないところを知る事ができるんですね。街を歩けば、その理解してなかったことの正解が転がってるから、観察する。手を動かさないと迷うこともないから、そこを見ようって思う発想が生まれないのか。
そう。Photoshopと観察を繰り返すのが、一番てっとり早い。Photoshopやってて、この箇所こんなに明るくなるんだなと気になることが出てきたら、外に戻って見る。この繰り返し。Photoshopは、目を養うのに最適なツールかも。短時間で色の検討とか明るさの検討も出来るし!Photoshopで絵が描けないと、TwinmotionとかLUMIONとかUnreal Engineで、いい絵を出そうと思っても、たぶんできないと思う。
なるほど、すごく良いトレーニング法を仕入れた!ただ見るだけではなく、ちゃんとアウトトップすることが、絵づくりにも大事なんだなー。人生なにごともアウトプットだよ。
やっぱ努力なんだよ
ソフトは描きたいイメージをアウトプットするためのツールであって、絵の良し悪しは、結局自分の能力で決まるんだと思います。自分の能力が50しかないのに、Twinmotionを使ったことによって、100になることはない。だからPhotoshopで絵の見え方の勉強をする。この箇所暗いとおかしいよなって感覚的なものを、現実から勉強してくのが一番近道。
なるほど、ドラマティックに魅せることも勿論するんだけど、基礎が分かってないとやっぱりおかしな絵になっちゃうのか。
そう。最近は言われなくなったけど、『天井が暗いから、もっと明るくしてくれ』って、昔よく言われてた。このとき、天井をトーンカーブで明るくするのが、最適解ではないんですよね。「天井が暗く見えるのはなぜか」って考えると、天井以外の周りが明るすぎるんです。だから、床を暗くしてもいいわけ。対比で見せればいい。
やっぱり、全体のバランスで見るんですね。言われてたまま受け取って天井明るくすると、嘘というか不自然感が出ちゃうのかな。
そう。だから、図面を読み取るのではないって話と一緒で、自分らは明るくしてくださいって言葉をオペレーションのように明るくするだけじゃなくて、なんで天井が暗く見えたかってお客さんの頭の中を理解して修正を加えないと、いつになっても正解は出ないし良い絵ができない。だから色々なところをよく見よう!
基本となるところに嘘はないんですね。基礎があるから、どのツールにも反映できる。でも、たまに動画みてると、LUMIONとかTwinmotionっぽさが出るときがあるんですけど。
その「ぽさ」っていうのは、何か思うことがあるからそう思うわけじゃないですか。じゃあ、その理由を明確に言ってくださいって言われたとき、答えられるのがパース屋なんですよ。答えられるからこそ、同じツールを自分らが使うのと一般の人が使った時に、差が出るんだと思う。Twinmotionぽさの理由を知ってるから、消せる。漠然と頭に思い描いていることを、しっかりとアウトプットできる・言葉にできるっていうのを、養う!絵は書けないんですけど、例えば、自分の頭のなかのドラえもんは、ぼかし20%くらいかかってるんですよ。
鮮明に覚えてるつもりなんだけど、いざ描いてみると描けない。たぶんその差と一緒で、一般の人とパース屋は、世の中や自然の鮮明具合が違う。ビル群を見たときに、パースをやってない人ももちろん『ビル群?あぁ、あれね』とはなるんだけど、自分らの頭のなかは、ビルにしても自然にしても『ここはこのぐらいの色だな』って長年やってると、分かってくる。
絵を見たときに、なんでおかしいのかっていうのは、もちろん言葉で言える。ここ明るくない?暗くない?とか。
明確に言葉で言えるかって聞かれたら、そこはまだまだだけど、はじめた頃よりどこがおかしいのか、気づけるようになってきた感覚はあります。だんだん、目が養われてくるっていうのは、確かだ!
うん。それは絶対!でもそれは数やるしかないんで、どうやったらうまくなるかと言われたら、最終的には「数をやれ」って言う。
できることや理解できることが増えてくのは、本当に嬉しい!「嬉しい」を求めてしたことが積み重なって、成長できるのかも。
あと、早く成長したければ、自分の制作物に対して責任を追うのが一番だと思う。
確かに!そうするともうやるしかないから、できることが増えていくし、自信にもなっていく!
上司に管理されてると文句とか愚痴とか言いたくなるじゃないですか。それもあって自分はなるべく早く一人でやらしてくださいって言った。そうすると、責任を負うのでかなりのプレッシャーなんですよね。でも、褒められるのも、へたくそだなって批判されるのも、全部自分の責任だから、その状況が、一番早道!
自分がどうなりたいか明確に決めている人は、覚悟があるから、やはり違うなー!美大の受験じゃないですけど、このお仕事もやはり基礎は『やりこみ!』『観察』『考える!』だな。いざデッサンの授業で、そんな風に教えているかは知らないけど。でも、これだけは言える!ぬるま湯はダメだ!
※スナックKviz物語 #08.悩みすぎ
気が向いた時や時間があるときに検証してみる、っていうのもあるんだけど、午前中は仕事をしないというのを、ずーっと続けてきた。
所属しているときから、午前中は「研究の時間」って、ずっと決めてて。
午前中に『すみません!ちょっと修正やってください!』とか、仕事の対応が来ることはないんですか?
それは、事前にやっておけば、避けられる問題。だから、基本は午前中は作業せずに、ほぼ研究出来てたと思う。
ネットサーフィンして、『おっ!』と思ったのを試して…っていうのが日課にあったんだけど、管理職になってからは1~2年できなかったんですよ。独立した理由ではないけれど、そういったことも、ちょっとした一つのきっかけではあったかな。
巡回サイトは決まってますよ。常に見てるサイトは、10個くらいありますよ。
『うぁ!アップデートした!』とか『おっ!このやり方いいじゃん!』とかは毎日ぼけぇ~っとして…。もう日課なんですよ!
全然オッケー。見てるサイトは常にあって、それがなんか、暇つぶし。みんなが「疲れたからちょっとYouTube見よ」とか「漫画見よう」って感覚で、そこを見ちゃうんですよ(笑)
好きですよ!CGが!建築学科卒だけど、建築よりもCGが好きなんですよ。
というわけで、わにさんが常日頃見ている【おすすめサイト】を教えてもらえましたー!パチパチパチ☆
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3D人さん
日本で一番有名なCG情報サイトなんじゃないかな。いつか中の人にあってみたい。
CGinterestさん
こちらも日本のサイト。とにかく情報の更新が早い!
MODELING HAPPYさん
いろんなソフトのtipsが多いので勉強になる!
cgtricksさん
海外サイト archvizの情報が多いので重宝してます!
80LEVELさん
海外サイト CGの最先端技術が沢山見れる。
cgchannelさん
海外サイト 最新ニュースなど情報沢山。
そのほか、まだまだありますよ!!!自分で探して見るのも楽しいかも!
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いやー。話せば話すほど、CG好きが伝わってくる!好きで好きで、色々調べて→吸収して→アウトプットして→次々とみんなに共有して→その輪で知り合った人とも、面白いことをはじめてる!→またそこで気になったこと調べる….素敵なサイクルだなー!
ツールに固執してないことと、自分の技術への絶対的な自信もあるから、私たちに色々共有してくれてるんだなー。
サイト開いて終わりじゃなくて、私もちゃんと日課にしたいと思います。わにさん、教えていただいてありがとうございますm(__)m
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