第5回:3ds MaxからUnreal Engine4へのライト検証

こんにちは。スタジオ・デジタルプラスの磯野です。
前回はUnreal Engine4でライティングまでしました。
今回は色々なライトをDatasmithを使って3ds MaxからUnreal Engine4にインポートしてみます。
各ライト、Unreal Engine4にインポートするとどのようになるのでしょう。

ここでは、Unreal Engine4のライト設定以外は変更せずに進めていきます。
今回の検証は 3ds Max 2018、V-Ray 3.6、Unreal Engine4 4.20を使用しています。
シーンのカメラはフィジカルカメラを使用。

検証するライトは、標準ライト(オムニ&スポット),Vray Light(Plane),VrayIESになります。

今回はライトの「Intensity」と「Attenuation Radius」のみを変更して検証していきますが、実際にシーンを制作する場合はその他の調整も必要になってくるかと思いますので、こちらの検証結果が全てではありません。

ライトやその他の互換性などはUnreal Engine4の公式ページUsing Datasmith with 3ds Maxをご覧ください。

標準ライトで実験

3ds Maxの標準ライトをUnreal Engine4にインポートするとどうなるのか見ていきましょう。
マテリアルは「標準」を使用しています。
カメラと環境は以下のように設定しています。

環境設定
環境設定
フィジカルカメラ設定
フィジカルカメラ設定

オムニライトの場合

シーンの中心にオムニライトを1つ配置して実験してみます。

3ds Maxでのレンダリング結果
3ds Maxでのレンダリング結果
オムニライト設定
オムニライト設定

このシーンをDatasmithを使いUnreal Engine4にインポートしてみます。

インポート後ビルドしてみると以下のようになりました。
Intensityの数値が3ds Maxで設定した数値と全く違いますね。これは、3ds Maxの標準ライトに物理的な強度値が無い為ではないかと思われます。ですが何かしらの規則で変換されているようです。

ビルド結果
ビルド結果
オムニライト詳細パネル
オムニライト詳細パネル

「Attenuation Radius」はどのライトをインポートしても「1000」ですので必要な場合は変更しましょう。

試しに「Intensity」も変更して、どのくらいで3ds Maxの結果と近づくのかやってみましょう。
「Attenuation Radius」を700、「Intensity」を10に変更しました。

もちろんこの設定だけでは3ds Maxの結果に類似させることはできませんが、少なくともこの二つの項目は変更しなければいけないようですね。

その他のライトも見ていきましょう。

スポットライトの場合

シーン中央上部にスポットライトを1つ配置。

3ds Maxでのレンダリング結果
3ds Maxでのレンダリング結果
スポットライト設定
スポットライト設定

Unreal Engine4にインポート

ビルド結果
ビルド結果
オムニライト詳細パネル
オムニライト詳細パネル

スポットライトはUnreal Engine4の設定を変更しなくても、比較的3ds Maxの結果に近いですね。

VRayライトで実験

マテリアルは「VRay Mtl」を使用しています。
カメラと環境は以下のように設定しています。

環境設定
環境設定
フィジカルカメラ設定
フィジカルカメラ設定

VRayLight(Plane)の場合

中央上部にVRayLightを1つ配置。

3ds Maxでのレンダリング結果
3ds Maxでのレンダリング結果
VRayLight設定
VRayLight設定

Unreal Engine4にインポート
VRay PlaneはUnreal Engine4で完全なサポートはされていない為、インポートした際Unreal Engine4側で疑似的なライトへ変換されます。

ビルド結果
ビルド結果
VRayLight詳細パネル
VRayLight詳細パネル

ライトが強すぎますので、「Attenuation Radius」と「Intensity」を変更してみます。

「Intensity」を5、「Attenuation Radius」を700に変更しました。

ビルド結果
ビルド結果
VRayLight詳細パネル
VRayLight詳細パネル

VRayIESの場合

シーン上部にIESライトを1つ配置。

3ds Maxでのレンダリング結果
3ds Maxでのレンダリング結果
VRayIES設定
VRayIES設定

Unreal Engine4にインポート

ビルド結果
ビルド結果
VRayIES詳細パネル
VRayIES詳細パネル

少し数値を変更してみましょう。
「Intensity」を15、「Attenuation Radius」を900に変更しました。

ビルド結果
ビルド結果
VRayIES詳細パネル
VRayIES詳細パネル

今回の検証は以上となります。
Unreal Engine4ではサポートされていないライトもありますので、詳しくはUsing Datasmith with 3ds Maxをご覧ください。

次回は、今回と同じ形式でマテリアルを検証していこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。