なんか近未来でかっこいいなぁ~と思って
そこまで詳しくは知らなかった!
まぁいいわ、今回いい機会だから一緒に勉強していきましょ。
一昔前は未来の技術だったVRですが、現在では様々な分野で実用性の高い技術となってきました。しかし、「VR」という言葉を聞いたことがあっても、具体的な意味や定義を知っている人はまだ少ないでしょう。
VRとは、そもそもどのような意味で、どのようなことができるものなのでしょうか?
また、あわせて紹介されることも多い類似の技術、「AR」、「MR」とはどのようなものなのか?「VR」との違いも含めて詳しく説明していきます。
目次
VRの意味とは
VRは「Virtual Reality(ヴァーチャルリアリティ)」の略で、「人工現実感」や「仮想現実」と訳されています。わかりやすく表現すると、「目の前にある空間とは『異なる現実』を体験できる技術」というわけです。
VR用のゴーグルを装着することで、ゴーグル内部の映像を異なる現実の世界として感じることができます。今までは目の前の映像だった世界を、あたかも現実のように体感できるのです。
VRでできること
VRゴーグルを装着することで視界の360°が覆われ、まるで現実のような仮想世界に入り込む没入感が得られます。
近年提供されているVRコンテンツは、リモコン・コントローラー操作によって自分の動きがVR映像内に反映されることにより、更にリアルな体験ができるようになりました。特に、エンターテインメント業界との親和性が高く、ゲームや音楽のライブなどで、実際に自分自身がその場にいるような感覚で楽しむことができると注目されています。
VRの仮想世界に自分のキャラクターを作成し、色々な人とチャットが楽しめる「VRチャット」も、現在注目されているコンテンツです。
現在普及しているVRデバイス
現在、各メーカーでVRゴーグルの開発が進んでいます。Facebookの『Oculus』、Microsoftの『Holo Lens』などでは既に複数の製品が開発されており、大手企業も開発に注力している様子がわかります。
価格帯も、スマートフォンに取り付けて使うような2,000円台の低価格帯のものから、法人向けの50万円を超える高価格帯まで、幅広く展開されています。購入の際には、価格はもちろんのこと、対応しているサービスを元にどういった用途で使うのかを明確にすることが大切です。また、これから新しい機器も次々開発されていくことが予想されるため、随時情報をチェックしていくことも求められます。
ゲーム業界において有名なデバイスの一つに、『PS VR(プレイステーションブイアール)』があります。2016年10月というVR技術がまだ一般的でない時に発売されたこの商品によって、VR技術自体の知名度が上がったことは間違いありません。
次に、2021年現在、各主要企業が販売しているVRデバイスの出荷台数シェア率を見ていきます。
上の図からも確認できる通り、『Oculus Quest 2』が出荷台数シェア率75%を記録していることが確認できます。Oculas Quest 2は、2020年後半に、パソコンやゲームといった機器との接続が必要なタイプからスタンドアローン型に移行したことにより、絶大なシェア率を獲得することに成功しました。
2021年現在の時点で、Sonyなどの主要企業で予定されている新しいVRデバイスの発売は少ないことより、『Oculus』のVRデバイスとしての地位は、しばらく安泰といえます。
また、デロイトトーマツコンサルティング合同会社が2018年に行った調査によると、VRゴーグルを個人で所有している人の利用目的の約70%がゲームということがわかりました。現在では、まだ個人でのVRゴーグルの所有割合は10%以下ですが、今後は伸びていくことが予想されます。VR技術の進歩が、ゲーム業界の盛況に繋がっていくことは確実といえるでしょう。
VRと紐づくデジタルツインとは
デジタルツインとは、読んで字のごとく「デジタルの双子」を意味しています。この双子は、「仮想空間」と「現実世界」の2つのことを指しており、この2つの空間を相互的に作用させているものが「デジタルツイン」というわけです。言い換えると、現実世界の物体などの構造物を、仮想世界にそのままデジタルデータで反映させる技術になります。
現在、主にデジタルツインが活躍している業界の一つに製造業があります。製品の開発・組み立てを現実世界の物体をデータ化した仮想空間内で行えるので、商品等を試作するときのトライアンドエラーをデジタル上で繰り返すことができます。それにより、リスク低減・コストダウンなどができ、デジタルツインのメリットを効率よく活用しているといえます。
近年は、建築業界においてもデジタルツインの注目度は上がってきています。代表的なものは建設現場のデジタル化です。デジタル化することよって、建設機械の稼働状況や現場の気象情報、作業員の情報などを効率よく収集でき、製造業界と同じようにコストダウンなどのメリットをもたらしています。それ以外にも、不動産開発案件のエリアをそのままデジタルツインで構築する「都市デジタルツイン社会」の実装に注力している企業もあります。こういった事例からも、VRに紐づいているデジタルツインという技術が建築業界にもたらす影響は、今後拡大していくことが予想されます。
VRとARとMRの違い
VRとあわせて紹介されることの多い技術に「AR」と「MR」があります。意味が混同されがちなこの2つの技術について解説します。
ARは、「Augmented Reality(オーグメンテッドリアリティ)」の略で、「拡張現実」と訳されます。仮想現実に入り込むVRとは違い、「実在する風景に文字や映像などを重ねて表示して現実世界を拡張する技術」です。日本でも社会現象になった「ポケモンGO」もAR技術を用いたコンテンツです。仮想空間を現実のように見せるVRに対して、現実の空間に仮想情報(文字や映像)を付加するのがARです。つまり、この2つは技術的には真逆ということになります。
MRは「Mixed Reality(ミックスドリアリティ)」の略で、「複合現実」と訳されます。現実空間と仮想空間を混合し、現実のモノと仮想的なモノがリアルタイムで影響しあう新たな空間を構築する技術全般を指しています。ARと違う点として、現実世界の形状(部屋の形やテーブルの位置)などをデバイスが把握することで、それらにデジタル映像をぴったりと重ね合わせることができます。つまり、MRはVRとARを組み合わせて発展させた技術なのです。
VRの活用事例
では、実際にVRがどのように活用されているのかを見ていきましょう。様々な分野で活用されているVRですが、ここでは「スポーツ」「エンターテインメント」「不動産・建築」の3分野に絞って、事例を紹介します。
スポーツ×VR
スポーツに特化した「動画配信プラットフォーム」では、自宅にいながら実際にスタジアムにいるような没入感・体験を得ることができます。従来のテレビ放送・ネット配信とは大きく異なり、360°視点で自分の好きなところを見ることができるので、スポーツ観戦の仕方が大きく変わることになるでしょう。
また、スポーツ選手自身がトレーニングとしてVRを活用しているケースもあります。天候に左右されやすい屋外スポーツにおいても、VRトレーニングであれば天候に左右されずに練習することが可能です。同じ状況・難度で繰り返し練習できるというメリットもあり、スポーツ業界とVR技術の組み合わせがより注目される理由になっています。
エンターテインメント×VR
エンターテイメント業界のコンテンツとVRは親和性が高いことで知られています。VRでライブ映像で音楽鑑賞や観劇を楽しむ際には、実際に会場にいるような臨場感を得ることができます。
最近では、ゲーム業界との組み合わせでも注目されています。VRゴーグルを通して見える映像と聞こえる音楽で高い没入感を演出し、実際に自分が冒険しているような感覚を得ることができます。また、ジェットコースターなどの広い敷地が必要なアトラクションを、映像だけで楽しむことができるなど、活用の幅の広さにも注目です。
不動産・建築×VR
不動産業界では、遠隔地からでも実際に物件を内見しているような体験ができる、「VR内見サービス」が注目されています。入居希望者がVRゴーグルを装着することで、部屋の様子や窓からの景色などを自分の視点で確認することができます。
建築業界では、住宅の設計図から立体CGを作成し、実物大の大きさで立体視ができる技術として注目されています。コントローラーを使うことで立体CG内を自由に歩くことができ、実際の導線や空間を体験することができます。
また、実際の建設作業現場をVR空間に再現しておこなう「安全体感 VRトレーニング」も注目を集めています。VRにすることで墜落や落下、火傷などの事故をリアル体感できるため、作業員の危機管理能力の向上に役立っています。立体建造物とVRの相性は良いため、今後も様々な角度での活躍が期待されます。
VRの未来
調査会社IDC JAPANによると、VR・AR分野の平均成長率は、2018年から2023年にかけて年間78.3%となっています。2022年のVR・ARの市場規模は2,087億ドルといわれ、今後も成長を続けていく分野であることは間違いなさそうです。
個人から企業まで、今後多岐にわたり広がっていくであろうVR技術。ゲームを中心に個人利用で普及が進んでいるVRですが、今後はビジネス面での活躍も注目されています。現在は導入コストや認知度の観点から一般的ではありませんが、近い将来多くのビジネス分野において一般化するコンテンツになることでしょう。
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