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バーチャルな世界は、言うなれば「シバリのない世界」です。
コンピューターグラフィックス内の世界には、重力がないため、自由度が高くなります。
場所と時間を超えて、あっという間に違う場所へ、パラメータで違う時間に飛べるようになります。
体感を一つのストーリーに乗せて表現することで、現実とは違う新しい体験をしている感覚が生まれるのではないか、という考えです。実在しないモノと情報に、実世界が融合する。その実例を、山口さんに紹介いただきました。
Psychic VR Labが手がけた「STYLY」と「NEWVIEW」
「STYLY」というサービスは、「Free your inner world」というフレーズ通り、VRを使って自分の内面を開放し、新しい表現を創造するための、アーティストに向けたプラットフォームです。
クラウド上でVRやMRを構築できるプラットフォームのため、サーバーにアクセスし、マウス操作で構築が可能です。世界中に配信することや、多人数で体験することができます。重きを置いているのは、「どのような世界観を作りあげるか」です。サービスを提供するだけでなく、良いコンテンツを作っていくことを促進しています。
また、「NEWVIEW」という3次元空間での新たなクリエイティブ表現と体験のデザインを開拓する実験的プロジェクト/コミュニティも発足しました。
バーチャルリアリティを使った新しい表現を通して、文化をつくる活動を日本はじめ世界で行っています。
「体験デザイン」として、総合芸術のxRを学ぶことを目的として作られたこちらのコミュニティの参加者は、エンジニアだけに留まらず、放送作家、ファッションデザイナーなど役職の垣根を超えて参加されているため、テクニカルな話だけでなく、表現の話にまで多岐に及ぶため、大変面白いコンテンツが展開されています。
xRでカルチャーを生み出す
そもそも、このSTYLYを始めたきっかけは、一人の女性の想いを形にすることからでした。
2015年、ファッションデザイナーの中里 周子さんから、「私の作った服は、海の中に飛び込まないと買えない状態にしたい。それか、宇宙の中で売りたい」という全く違った発想で彼女から相談をいただきました。イマジネーションを広げていくなかで、「重力の壁など制約を取り払うことでできないか、VRがその表現ができるのでは?」となり、『ISETAN宇宙支店 -わたしたちの未来の百貨店-』を立ち上げました。
ただし、こうした発信には、コンセプトを理解してもらうことが必要です。ファッションは、自由な表現ができます。「VR」という表現で新しい世界観を作るのであれば、それこそ、新しいカルチャーとして生み出す必要がある、という使命感もあいまったかもしれません。
クリエイティブな感覚の方は、こうした話に対して興味をもって聞いてくれるかもしれませんが、xRの企画をどのようにすれば理解してもらえるのか、まだまだ初期段階で悩むところではあります。
今までの延長線で話をしたほうが話は早くなりますし、理解も得られやすいかもしれません。しかし、そこには、新しいものの本質はないと考えています。
コミュニケーションツールである「LINE」が、対面の延長線にないことも一つの事例です。今までの延長線上では理解できない未来に、テクノロジーが使われて行くことに対して、ちゃんと向き合わせないといけません。
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